2020年10月24日土曜日

定額売却式のセミリタイアって、定率売却より格段に不利じゃね?


現時点のメインの保有銘柄はQQQですが、
これはSlim先進国の投資額を一括スイッチングしたのみであり、
今後直近でITバブルが弾けなければ問題ありません。


直近で、としたのは、株式投資のチャートにおいては、
ボラが荒くさらに利益率が高く、後期になればなるほど、
含み益による複利が暴落に対するヘッジになるので、
たとえ暴落したとしても、先進国指数(ひいては米国指数)に
アウトパフォームしやすいからですね。


まあ直近で暴落してもその際に積立投資しておき、
その後に反発してくれるならどちらにしろ
アウトパフォームする(期待値が高い)ので、
ハイテクトレンド(というかQQQ構成銘柄)が
消滅しない限りは基本的に大丈夫でしょう。


今後もフルインベストメントを継続していくため、
私は「何かを一括投資する機会」が存在せず、
今以上に暴落しないならボラティリティの高い銘柄は
リターン上昇の期待値が非常に高いです。


ITバブルのてっぺんでQQQに一括投資してたら
復活まで12年くらいかかるからね。
今がITバブルじゃないなら大丈夫でしょう。


ちなみに、よくこの爆アドブログで話している、
ぽすとちゃん式インデックス投資売却リタイアは、
つまるところ定率売却式リタイアとほぼ同じですね。
(毎年、売却後の資産額を統一するのと、
売却額を元本の年率何%か売却する違い)


多くの人がイメージしているリタイア売却方式は、
「売却する額を一定にする方法」でしょう。


つまり毎年何万円下ろすか決めておくということ。
ボラティリティ関係なく、不景気だろうと好景気だろうと。
生活は安定するかもしれませんが資産運用はボロボロになりますね。


高配当投資でのリタイアはこれをイメージしているのでしょうが、
ただでさえ下落時の売却は資産が減るのに、
チョト前の記事で書いたとおり、
まず高配当銘柄の配当率にもボラがあり、
またETFでもない限り分散投資でのリスクがあるので、
まあこれはゴミでしょう。


VYM、SPYD等は純粋な指数じゃないのでリスクが高まるでしょう。
時価総額加重平均じゃない変なバイアスかかってるし。
QQQみたいにリターンを狙ったわけじゃないのにね…。


定率売却式だとボラティリティの荒い銘柄が有利ですが、
定額売却式だとボラティリティの荒い銘柄が不利です。


QQQが1年目+20%、2年目-20%を繰り返すとして、
1年目に+20%売却し、2年目に0%売却するのと、
1年目に+10%売却し、2年目に+10%売却すると、
後者はいずれ資産が消えるからね、仕方ないね。


投資先の銘柄が右肩上がりであること前提ですが、
わかりやすく額で考えてみます。
ぽすと、苦手なさんすう、がんばります!


例えば1000万をQQQに投資していたとして、


定率売却なら、仮に1000万資産になるようにするとして、
1年目株式1200万になり売却+200万、売却後資産1000万。
2年目株式800万になり売却0万、売却後資産800万。
3年目株式960万になり売却0万、売却後960万と、
3年目株式1200万に戻り売却+200万、売却後1000万と、
最終的に売却には400万円、株式は1000万と変動無しですが。
最終的に売却は200万円、株式は960万ですが。
(※すみません、さんすう間違えてたので修正)


定額売却なら、仮に毎年100万売却するとして、
1年目株式1200万になり売却100万、売却後資産1100万、
2年目株式880万になり売却100万、売却後資産780万、
3年目株式936万になり売却100万、売却後資産836万と、
最終的に売却には300万、株式は836万になります。


キャッシュを含めたトータル資産は、
定率売却の方が1160万円。
定額売却の方が1136万円です。


なんとリターンが同一の場合でも、定率売却に比べて
定額売却の方が総資産が減少しました。


割合で言うと、わざわざ定額売却の方に対して、
売却額を半分にした有利な検証なのに定額売却のほうが不利ですねえ!!


そら、QQQとVOOと米債券を定額売却で比べたら、
途中でボラティリティが一番荒いQQQが
消滅するのも納得の結果です。


こんなん見ずともわかるね。
リタイア後にQQQが不利、って言ってる奴はバカ。


まあQQQが今後不調になる、って言うならわかるけど、
リターンではなくボラティリティそのもののみは関係ありません。
(しかし現物なのに20%単位の変動は減価激しいですね…)


なぜ定額売却の方は売却額を毎年100万にしたのかと言うと、
トータルの売却%を統一してみたほうが良いかなと思ったのと、
定率売却はほら、資産額を見てから決められますからね。
結果論でしょう?定額売却はルールを決めてから売却するので。


後から見た結果で不利にならないよう、
甘く見積もったのですが、それでも埋められないこの差。
この有様ですよ。


ちなみにもしかしたら異論があるかもしれないので、
定額売却を定率売却と同様200万ずつにしたら、
1年目株式資産1200万になり売却200万、売却後資産1000万、
2年目株式資産800万になり売却200万、売却後資産600万、
3年目株式資産720万になり売却200万、売却後資産520万と、
最終的に売却額600万、株式は520万になります。


トータルの資産は1120万円…。
まあ売却額増やせば増やすほど、不利になるよね。


…計算間違ってないよね?
計算しやすい用に税金分を無視していますが、
税金分を考慮すると、さらにマイナスになると思います。


なぜなら、特に資産形成後後期だと、当たり前ですが
元本からかなり含み益になっていることが多いんですから、
たとえその年がマイナスリターンでも課税不可避ですからね。


また2年目の途中とか、定額売却の方が
定率売却より株式資産が多く見えますが、
キャッシュを含めたら総合資産は普通に負けてます。


2年目で定率売却が1000万に対して定額売却が980万、
これは税金を考慮するとさらに定額売却の方が劣後します。


だって定率売却の方は、
マイナスリターンの時まず一切売ってないしね…。


実質前者は1年目に+18%の利益、2年目に0%の利益、
後者は1年目に+8%の利益、2年目に+8%の利益と、
リターン率で比較したら18%と16%ですよ。
いや複利でそれ以上乖離するか。


総資産の減りは同じどころか後者の方が大きいのに、
税金のせいで得られる総利益が
定額売却方式の方が少なくなってしまいますからね。
(まあもちろん元本割れすれば同じになれますがw)


高配当銘柄とかは定額売却と似たようなロジックですね。
株価が下がると配当率も上がるし、増配するし、
不景気になればなるほど大きく売るし。


やっぱり高配当投資でセミリタイアは不利じゃないか…。
小学生並みの算数でこの結果なんですが、どうですかね。
多分間違ってそう、怖い。


「こんなん右肩上がりの場合の想定じゃないかよ!」
って指摘、あるかもしれません。


…でもさ、仮にあなた、
右肩上がり想定じゃない銘柄に投資しますか?
右肩上がり想定できない銘柄でセミリタイアしますか?


一応定率売却方式のデメリットに触れておくと、
1年目の部分を見れば分かる通り好景気に多く売り、
必ず元本が一定額に戻るよう調整するので、
来年度の右肩上がりが少なくなってしまいます。


ただ、それは同時に、暴落用のリスクヘッジとして
キャッシュ比率を高めておくことにもなるため、
それ以上資産額を増やす目的がない資産成熟期には、
はっきり言って欲張りすぎ、無用の長物ですね。


必ず売却するため株式資産の複利は消滅し、
その年の期待リターンを上回ることは絶対なくなりますが、
まあキャッシュが積み上がっていくわけだし、
どんどん安定感がましていくので最高ですね。


あとのデメリット、投資先が期待リターンを上げられない、
長期リセッションに入った時は、
一切売却できないので、手元に一切の
キャッシュが入ってこなくなってしまいます。


ただ、言ってしまえばそれは投資先が不調であり、
またその場合だと定額売却だったとしても、
暴落のさなかバリバリ売ることになるため、
自分の生活は安定しようが、資産は大幅に減少し、
ついでに回復期に入っても資産が上昇しなくなります。
(つまり定率売却定額売却どちらも関係ない)


そしてセミリタイアは終了必至になる。
今年生き延びるために、来年以降の生活を全部捨てるのか?
っつー話になるでしょ?


だから定額売却は絶対にありえません。
上昇相場ではトントンかそれ以下、
レンジ相場と下落相場と長期リセッションの全てにおいて、
定率売却以下の非合理性があると思います。


てか、まずその理屈でいうと、
配当込みでも右肩下がり傾向の、
高配当銘柄だとなおさらキツイですよね。セミリタイア。


ま、定率売却方式の一番最初は少しネックで、
もちろんキャッシュが0ですから、
一番最初だけは必ず何年かリセッションに入っても
生き延びられるだけのキャッシュ比率を高めておく必要はあります。


ただし、これは定額売却方式でも同じですから。
だいたい資産形成後、リタイア時にキャッシュ比率低いとか、
そらそいつがおかしい。


リタイア志向をする人は、
リタイア前に資産を売っておけ。


ところで仮に定額売却をどうしてもしたいという場合は、
ボラティリティの上限も下限も低い債券などで、
やっていけば良いんじゃないですかね。


ただその場合でも定率売却の方が安定しますし、
大体債券で資産を減らさずなんとかなるリターンで暮らせるなら、
もう現金でも良いんじゃねーのってレベルですね。


ここまで定率売却と定額売却を比較してきましたが、
ボラティリティの荒い株式アセットに対して、
画一的に一定額売却して安定したキャッシュフローを得よう、
なんて赤ちゃんみたいな思考がまず間違ってるんですよね。



定率売却方式だろうと、超長期リセッションでは、
普通に最悪の状況が重なったら売るときは売るだろうし、
定額売却方式だろうと、好景気の時は、
普通に欲張ってだか多く売れたら売るでしょうよ。


わりと資産形成の前も後も、柔軟な対応が必要なんですよね。
安定したキャッシュフローとかバカなこと言ってるくらいなら、
柔軟に対応できるよう景気動向をしっかり見抜くことが大事だと思います。


その上で、定額売却方式という、
現金の価値すら変動しインフレする資本主義社会で、
画一的な資産運用対応をすることがまず間違いであり、
定率売却方式の方が柔軟に対応しやすいということです。


あんまり投資ブロガーにおいてもこれを考えている人いませんね。
というか何故か資産形成期なのに高配当投資してるブロガーばっかりですし。
配当が出ない資産でリタイアしている人もまだ売ってない人ばかりですし。




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4 件のコメント:

  1. 具体的なリタイア案を持ちすぎるのもそうならない時怖いなぁって思っちゃいます
    結局その人の家庭環境によって状況もかなり変わりそうなので
    とにかく総資産を増やすために節約生活あるのみ!

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    返信
    1. そうですねえ、実際定額売却でも資産の上昇額が売却額より上回っていれば資産は減りませんし、定率売却でも資産の上昇額が期待リターンに満たない場合は売却額がかなり少なくなってしまいますので、やはり資産さえ大きければなんとかなります。
      ただそれを加味しても、やはり定率売却の方が安定性は増しますが。

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  2. 定率売却の2年目、3年目のところが50%プラスになっているのでかなり差が出ているのだと思います。(800万→1200万)

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    1. ありがとうございます。
      計算ガバガバですねえ!フォロワーさんにも指摘いただいて直しました。
      +−20%のレンジ相場でも定額売却式の劣後率は定率売却式と比べて資産の-3%程度ってことで多いか少ないかは人次第でしょうか。
      ただリタイアが長引けば長引くほどこれは響いてきますし、また市場上昇時に多く売れ、市場下落時には資産売却を抑えられるのでやはり定率売却の方がリタイアには適していると思います。

      ぽすとの場合は売却後の資産額を一定にするので、よりそれが顕著になり、かなり安定性を高めるでしょう。
      自分で選べる高配当みたいなもんです。
      暴落時まで高配当出す必要はないと思います。

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