2019年7月5日金曜日

配当利回りがマイナスになることはないが、高配当株だって株価は下落する

「投資利回りにマイナスはあるが、配当利回りにマイナスはない」
みたいな意見をどこかで見ましたね。


だから配当銘柄に投資しろ、とまでは言っていませんでしたが、
この発言だけとると、無配株およびキャピタルゲインの否定であり、
配当銘柄およびインカムゲインの肯定にしか見えないため、
実質的に配当銘柄上げでしょう。


ただし、配当銘柄の配当がマイナスになることはなくとも、
減配や配当停止などは普通にありえるわけで、
またさらに配当銘柄にも株価が存在するということは忘れてはなりません。


とくに米国の高配当銘柄はどれも意欲的に増配をすることで有名ですが、
それでも株価が下がってしまえば基準価格も下がり、
たとえ増配しようが実質的な配当率の低下もあり得るし、
いざ売り抜けるときには損切り必至です。


今のタバコ株などはどれもそうですが、ガンガン高配当しているのにもかかわらず、
規制やらなんやらで株価はどれも右肩下がりですからね…。


※タバコ株の成績を見てみた私の記事
なんでタバコ銘柄ってそんな人気なんや?
https://mailbox009.blogspot.com/2019/06/blog-post_29.html


もしかしたら、無理に配当や増配をしていることで、
企業内部の資金が乏しくなり、業績に影響が出ている可能性もありますね。


結果的にどんな高配当銘柄だろうと、
結局のところ株価が下がってしまえば損益はマイナスです。


いくらインカムゲインが高いと言っても、
個別株である以上いずれはどこかで利確や損切りをしなくてはならないため、
しぬまでお金が勝手に振り込まれてくるわけでもありません。


せいぜい配当金だって高くて税抜5~7%ぐらいですから、
最低でも14年近く持ち続けなければ元すら取れません。


しかも配当金を再投資して複利で増やそうにも、
そういった長期投資前提だとなおさら配当時の課税が重くのしかかってくるわけで、
その場合は無配株の方が明らかに効率が良くなります。


こうして考えると、
配当銘柄は減配及び無配化で反感を買って投げ売られるリスク、
長期投資で配当金再投資する場合に課税をされてしまうデメリット、
さらに配当(や増配継続)のため企業運営に負担を強いている可能性があり、
無配銘柄と比べると潜在的なリスクが比較的高いと言えるでしょう。


「配当銘柄は適宜配当金が出るため現金をプールしておけるが、
無配銘柄がマイナスに触れてしまった場合は一銭にもならない」



という意見もあるかも知れませんが、配当銘柄の原資である配当金は、
無限に虚空から湧いてくるわけではなく、もちろん企業の財布から出ています。


いわば、無配株が本来内部で施設や技術などに投資するべきお金を、
毎回顧客に配っているだけ
です。
しかも無駄にけっして少なくない税金がかかります…。


つまりは、配当金を再投資したら無配銘柄が本来やっていることを
ただ自分で代わりにやっているだけでただの二度手間です。

ようは配当金の意味がないわけです。


もし現金化しておく必要があるなら、それこそ無配株だったら
なおさら自分の好きなタイミングで利確しておけばいいだけであり、
株価下落時にまで増配して実質的に損切りしてしまう配当銘柄は明らかに非効率です。


畢竟、配当利回りにマイナスが無いというのは見た目だけのものであり、
たとえ増配しようとも、株価下落時にはむしろ実勢津的には
減配になっている可能性もあるということです。


しかも、配当銘柄も結局株価がマイナスになることもあり得る以上、
キャピタルゲイン抜きで株式取引を語る事はできないということなのです。


と、色々述べましたが、
長期で株価が右肩上がりで、無配銘柄と比べても
普通にアウトパフォームしている配当銘柄だってあるはずです。
(あいにく私は知りませんけど)


配当銘柄や無配銘柄の属性の違いによる優劣は色々ありますが、
それでも株価さえ上昇していればその優劣なんて簡単にひっくり返ります。


結局株式取引で大事なのは、なにより売買タイミングと株価ですからね。
これは配当あろうがなかろうが、絶対です。


個人的にはやはり無配銘柄のほうが基本的には優れていると思うので、
そちらの方をおすすめしますけどね。



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