2018年11月17日土曜日

セミリタイアは劇薬

幸いなことに、私はまだ若いうちから投資信託および
セミリタイアという概念を知ることが出来ました。


ところがジッサイこれ、まだ社会人になってぜんぜんな青二才が
セミリタイアなんて最強の生き方を知ってしまうと、
それはそれでつらいものがあるんですよね。


投資については、若いうちから知っておいてまったく損はないでしょう。
投資について学び、実践することは、金融リテラシーを学び資産を大切にすることを
意識する上で大切なことですし、
さらには早いうちから投資して投資期間が長期であればあるほど、
得られる利益は莫大なものになっていくわけですから。
(成長を続けていく可能性が高いアメリカの市場指数に投資するのが前提ですが)


されども、セミリタイアに関しては、
自分にとって新しく革新的な人生の選択肢が生まれるという大きなメリットがあるものの、
実のところそれはかえって自分を強く自縛するものでもあるわけです。


セミリタイアなんて概念を知らない人たちも世間にはいっぱいいるでしょうが、
基本的にどんな人間でも普通は働かなくてすむのなら、働きたくないはずです。
(社畜はかえってどうぞ)


ですが、生きるために、そして稼ぐために、
世の人たちのほとんどはどうしても働かなくてはなりません。


日本におけるこういった方々にとって、
投資はギャンブルであると認識しており、
労働所得のみで収入をまかなっているのですが、
ただの貯金のみで仕事をやめてぷー太郎になる(セミリタイアする)
なんていうことは当然ながら至極難しいわけで、考えもしないわけです。


すると、どうしたって仕事をやめるわけにはいかず、
毎日をただ愚痴りながらずうっと40年ばかし勤め続け、
60付近になってようやく、貯金やら年金やらを目処に
完全リタイアに移行するようになるわけです。


対して、社会人成り立てで仕事に慣れないうちから、
セミリタイアを知ってしまった哀れな知恵者としては、
前者と比べて今後10~30年ほどで仕事をやめられるという希望は持てるものの、
果たしてそのときまで意思を持ち続けるのはかなり難しい。


「いつでもやめられる」という考えが頭にあると、
どうしても今やっている仕事がおろそかになるというか、
これから長く今の会社に勤め続ける必要性がないのではないか、
というように思ってしまいがちです。


…というか、今の私ですね。はい。


当然ながら、資産がたまっていないうちからセミリタイアに入ってしまうのは、
あまりに愚策であり、不合理です。


そのため、資産がある程度たまるまでは、
やはり他のおろかな労働者同様、愚直に働き続けるしかないわけですが、
下手にセミリタイアなんてものを知ってしまったせいで、
「いつでも辞められる可能性があるのになんで働いているんだろう…」
「これを辞めてもアルバイトしながら生きて行くのもいいかもな…」
なんて、セミリタイアに変な希望を抱きがちです。


「定年まで仕事し続けるしかないんだ…」といってあきらめる社畜よりは
ある意味幸せかも知れませんが、これはこれで生ごろしのようなに感じます。


たとえるなら、目の前で水をあげて大きくさせている野いちごの実を、
よだれをたらしながら待っている状態でしょうか…。


やはりセミリタイアは劇薬です。
効果があまりに魅力的過ぎて、まだ体の準備が出来ていないのに
舌が摂りたがってしまって仕方がありません。


そう考えると、セミリタイアという概念について精通しながらも、
目標資産に貯まるまでじっと我慢して勤め続けた先人の方々の意思には、
脱帽せざるを得ません。大した根性だ。


とはいえ、もし私がセミリタイアや投資を早期に知ることがなかった場合は、
セミリタイア資産なんて築く必要なんてないんですから、
何も考えずに散財してしまっていただろうことは想像に易く、
結果としては間違いなく今知れてよかったと思っています。


現に、セミリタイアやインデックス投資を知らない人たちは、
仮想通貨やレバレッジFXに手を出して、
余計に労働期間を増やすどころか、借金すら作ってますからね…。


少し間違えたら私もああなっていたかと思うと…。
やはり、インデックス投資でセミリタイアを目指すという選択肢は
間違っていないのだろうと思えます。


しかし、それにしたってあと10年ぐらい
労働しなくてはならないというのは生殺しですね…。


早く辞めたい…。


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