労働こそ敗北であるということ。
そもそも株式会社の成り立ちというものは、まあ色々由来がありますけれども、
1600年台の大航海時代に端を発すると言われています。
だいぶ古いですね。
まあこのへんは、大体株式について勉強している人ならご存知でしょうけど、
非常に簡単にざっくり説明しますと、
①当時、ヨーロッパは肉の保存や調理のために胡椒が必要だった(≒莫大な金にもなる)
②しかし、そのためにはアジアへのクッソ長期の危険な航海が必要だった
③そのため、胡椒や利益が欲しい金持ちは船乗り集団に出資し、
逆に、船乗り集団は、もし帰ってこれた場合には
得た利益のいくらかを出資者に還元した
こういった流れですね。世界初の株式会社である、
イギリス東インド会社を世界史で学んだことのある人も
多いのではないでしょうか?
(参考 詳しくはこちら)
「世界初の株式会社」ができた理由がグルメすぎる | FROGGY
https://www.froggy.money/332/
いやあ、ヨーロッパの土地や環境が貧弱すぎて、
冬なんかは腐った肉を食べざるを得ないゆえに、
胡椒を防腐剤として使った、という話は知っていましたが、
「そもそも胡椒を買える富裕層は腐った肉を食べる必要がない」
っていう話は知らなかった。わりと余裕あるところはあったのかな?
というわけで、富裕層は危険を冒さず、
お金だけを出せば利益を享受できる。
逆に会社側は、たとえ元手がなくとも出資を募ることで
事業を行うことができ、
危険を犯して労働することで、利益を得る事ができます。
富裕層に利益を還元すると言っても、自らの労働により
得られる利益はそれ以上なため成り立つんですね。
まさにWin-Winな関係。
これがもとになって、現代の株式会社、
ひいては資本主義社会が成り立っているわけです。
現代社会はまさに海。
資本家はヨーロッパの貴族で、
サラリーマンは船乗りというわけですね。
現代の資本家たちは、株式会社に出資し、
そのお金を使って株式会社は色々な事業に
手を出す事ができるわけです。
ここにまあ、色々と政治的な介入が
色々と絡んでくるのが、現代の資本主義社会と言えます。
しかし、近世ヨーロッパと現代社会の非常に大きな違いとして、
私達は現代において、非常に簡単に株式投資をすることができます。
今や証券会社を経由するまでもなく、ネット証券からワンクリックで買えます。
もし国際インデックスファンドなら、たった100円で、
アマゾンやフェイスブックなどの外国の有名企業に分散投資が可能なんです。
つまり、なんとなにより一番の違いは、我々、現代の船乗り(=搾取される側)ですら、
富裕層(搾取する側)の立場になり代われるということなんですよ!!!!
決して有能と言えない自分でも、有名企業に存在する
有能な方々を実質顎でこき使えるわけです。
その利益を頂けるわけです。
いやあそう考えると働くのがバカバカしくなりますね。
どんなに有能でも、上には搾取する人間がいるってことですから。
逆に言うなら、そういう有能な方々…。
つまり、超ハイテクな黒船に乗っている一流の船乗りの人たちと、
泥舟に乗っている三流の船乗りである私達が、同じ海流に乗って
しのぎを削ること自体理にかなっていないんですよ。
バカでも、お金を出せば、
超ハイテクな黒船に乗った人たちが胡椒(利益)を手に入れて、
私達に返してくれます。
自分たちがオンボロな泥舟でヒーヒー言って
儲けたお金を、今度は黒船に乗った一流の船乗りに渡して、
あとは勝手にやっておいてもらう事ができるんですね。
これから40年間、愚直に泥舟に乗って漁師をするより、
ほどほどに働いてから、あとは貴族生活を堪能することこそが、
賢い生き方と言えるでしょう。
…。
…あ、そうそう。
この例え話でいくなら、
個別株投資家は
「どの船乗りが一番有能か、船乗り一人ひとりの
経歴を一生懸命調べてから援助する人」
を指します。
インデックス投資家なら、
「船乗りたちを管理する人にお金を渡して、
一定のグループの船乗りたちにそれぞれ援助する人」
を指します。
どちらが良いかはお好みで…。
ま、言うまでもないですけど。
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