2021年11月20日土曜日

「インカムゲインがなくなるのが怖いから高配当銘柄」ってなんか違う


ビットコインが暴落して
大損してる最中のぽすとです。


なぜ、ここまで高配当銘柄好きが多いのか。


ときには非効率的だと理解しながらも、
なぜだか高配当銘柄にこだわる人もいます。


いわくそれは、例えばリタイアした時には、
「インカムゲインがなくなるのが怖い」
だからだという人が…。


むろん。
他にも様々な理由があるでしょうが…。


ただこのインカムゲインがなくなることへの恐怖、
これについては、何か履き違えているのでは、
と思わざるを得ません。


例えば、日本でリタイアせず仕事している時は、
毎月月給としてインカムゲインを得られる、
そういう給与形態の人がほとんどのはずです。


では、私達はその
「毎月必ず給与が振り込まれること」に
安心しているのだろうか?


それは違うでしょう。


決まった時間に給与が振り込まれることではなく、
「会社が安定して運営されており、庇護下にある」
「給与が固定されて振り込まれる」
といった概念に、私達は安心しているのです。


ですから、インカムゲインはあくまで手段、
いや通り道? うーん、方法?
の一つであって、重要ではありません。


ただ慣れているからそう思うだけで、
年俸制であってもそれはそれで安心でしょう。
(元旦に300万が振り込まれるのか(困惑))


翻って、そう、リタイア後に、
「高配当銘柄から配当が振り込まれる」
これが4半期ごとにあるとしましょう。


では、その配当が減額されたら?
株価そのものが、下がったら?


こういった場合は、いかにインカムゲインが、
ちゃんと規則正しく貰えたとしても、
その人の安心感には何一つプラスにならんでしょう。


どころか、減配や無配化されたら、
キャピタルゲインだよりの人よりも、
覚悟がない分狼狽してしまったり…など。


インカムゲインはあくまで方法の一つであって、
それが絶対に保障されるものでもありません。


キャピタルゲインだから安心だ、
という理屈がもちろんないように…。


インカムゲインだから安心だ、
などということはありえないのです。
(心因的なものより、現実問題として)


会社勤めしている時も何かしらの要因で
このインカムゲインに動きがある可能性もあるし、
個別株の配当も言わずもがなです。


高配当銘柄側にその考えがあるかは知りませんが、
その投資家はなぜか勝手に目眩ましされて、
本質を見失っている人が多々いるように思えます。


それどころか、投資と労働が
まったく別種のものだと理解せずに、
「同じインカムゲインだから」
「退職後も何か安心感がある!」
などという浅い考え方で、
安易にリタイア後に高配当銘柄に頼るのは、
やっぱなんかおかしいでしょう。


同一視するには種別が違いすぎるし、
何より自分を騙しているだけです。


インカムゲインが好ましい、という、
そういった趣味嗜好ならまあ、
それはそれでいいと思いますが…。


どちらにしろ、ストイックに無機質に、
できるだけ合理的にすべき株式投資で、
自分のエゴや好みを通すっていうのは、
イマイチ褒められたものではないかと思われます。


また、リタイア後は尚更、
高配当とはいえ個別株運用のような
高リスクで難しいものに投資することは、
そういう面から見ても不適切です。


今や、投資信託を自動で売却するツールもあるし、
VOOのようなETFは一応配当もでます。


それらの簡単なシステムにこだわらず、
とにかくインカムゲインだ、などど、
安易な考え方をするのは意味不明ですね。


イマイチ筋が通ってないんですよ。
どうも、高配当選好の人はね…。


今年は高配当銘柄にも好調なのが多かったですが、
それは高配当だから、インカムゲインだから、
といった理由ではもちろんありません。


あれらは単純に、ハイテクに遅れて回復した、
低迷期間が大きく不安定な銘柄であり、
おかげで逆に今年はバリュー銘柄としては
それなりに魅力であった…。


と、言うだけの話です。


バリュー銘柄はまた別個の話ですからね。
インカムゲインは無関係です。


まあその場合であっても、
高配当ゆえ成長性が犠牲になるとか、
長期投資では再投資が邪魔だとか、
税制上不利だとかで、やっぱり好ましくないですが。


インカムゲインがほしければ、
投資信託の売却制度を利用すること。


あるいは、高配当銘柄ではなく、、
バリュー銘柄としてその個別株が好みなら、
それ相応の難易度だと理解しながら、
その銘柄を運用していくのが良いと思われます。


高配当銘柄であり、バリュー銘柄である。
はたまた、オールドエコノミーとして、
成熟企業として価値がある。


その2つの異なる別種の要素を理解しつつ、
しっかりと運用できる自信があるのなら、
特に問題はないと私も思います。


なお、キャピタルゲイン銘柄についてですが、
キャピタルゲイン=株を高い時に売る、
という行為にそのまま繋がるので、
運用について誤解している人は少ないでしょう。


いつ売るのかが不安だとか、値動きが怪しいとか、
そういった理由はキャピタルに限った話ではなく、
インカムゲインだろうがなんだろうが、
株式銘柄にとっては避けられない問題です。


なんなら、高配当銘柄のインカムゲインに、
騙され、麻痺してしまっている方が、
そういったものに鈍感になりかねません。


自分が取り扱っているものは、
安心安定絶対無敵のインカムゲイン発生装置!


なんていうものでは決してなく、
結局のところ死ぬまで刺激物である、ということを
心の奥底まで染み付かせておくことです。


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8 件のコメント:

  1. 毎月払いの原則があるので、一般に年俸制であっても12分割した額を毎月受け取ることになります
    クソリプ失礼

    返信削除
    返信
    1. はぇ~年俸って毎月払われるんだ…

      削除
  2. 株=配当金で不労所得、の先入観でもあって他の理由は後付けだったりして。知らんけど。

    返信削除
    返信
    1. まあ私もリターンひかれて後付けでレバレッジ投資しているようなもんだし、多少はね?
      それでもなんかスジが通ってない感じがするのでつい書いてしまうんですね、私も。

      削除
  3. 高配当とはいえ個別株運用のような
    高リスクで難しいものに投資することは、
    そういう面から見ても不適切です。


    ありがとうございます。目が覚めました(..)

    返信削除
    返信
    1. バリュー投資として一儲けならともかく、インカムを重要するなら、ほんとに定期売却サービスか、計画して機械的に売却が良いでしょうね。
      それすらもう怖いなら、もう株式自体買ってるのがヤバいので、現金かGOLDかデジタル・ゴールドのビットコイン()を持っておくのが良いと思われます。

      リターンも欲しいけど、でも安全でもいたい、ってのは、せいぜいインデックス投資がギリギリ許してくれるくらいで、さすがに難しいって感じですよね。

      削除
  4. 60歳過ぎてるけど、高配当株持っていない。税金取られるのが嫌。金が無くなったら、株売れば良い。

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    返信
    1. 仰るとおりですね。
      なお一応フォローしておきますと、ADR?など配当の課税を緩める高配当銘柄もあるそうですが、やっぱそれでも特別無理して配当を得る意味はないですね。

      ていうか株自体不安定なアセットなので、売らないで持ち続けたいという時点でまあアレですね。

      削除

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