2019年10月26日土曜日

高配当銘柄は配当金があるから自由度が高い!なんてのは錯覚で真逆です。

つい最近、ある投資ブログではそんな意見を見ました。


し、信じられん…。
少し短絡的にすぎるのでは…?
と内心めちゃくちゃ思いますが、流石にそれを言うと、
いくらなんでも核心を突きすぎて辛辣なので、
誰にもいわず心のうちにとどめておきましょう。


さて、まず素直に言わせてもらうと、
「特定の時期ごとに配当が勝手に出る」って時点で、
配当銘柄は無配銘柄よりも自由度が低いとも取れるわけです。


なにせ、本来株主に許された重大な意思決定である、
「保有株を自由なタイミングで自由な数だけ売買する」
という部分でさえ、売却タイミングと売却数だけ
企業に勝手に決められてしまうのです。


また、30%や20%にもなる株式売却税の繰り延べをしたい、
と株主が考えていたとしても、それも企業および期ごとに
配当と同時に徴収されてしまいます。


これは実質的に自分の株式取引の半分以上を
投資先(配当周期)にコントロールされていると言ってもいいでしょう。


つまり、無配銘柄よりも自由度は低いとも言えるのでは?



もちろん、無配銘柄が自社事業や設備や内部留保に投資するはずだったお金を、
配当銘柄はそれらに使わず、配当金に回してくれることもあるでしょうから、
企業よりも株主の方に企業資産を自由にする選択権がいくらか
(投資した資産のたった数%とはいえ)あるという考え方もできます。


ただし、もしその配当を同企業に配当再投資してしまうなら、
結局税金という手数料を払ってもとの企業に資金を戻しただけであり、
手間としても利益としても大きく損をするだけです。


税金払って同じ企業に再投資するくらいなら、
はなから企業にそのまま無配で運営してもらったほうが断然良いってこと。
配当再投資はほぼ無意味と言ってもいいでしょう。


(配当を出した企業としても、せっかく余分な資金の排出だったり、
株主還元を考えた上で配当を出しているのに、
それらが再投資で戻ってくるのはいい迷惑では?)


逆に、「配当再投資以外にも、例えば別企業や自分の事業に投資できる!」
として、配当は配当再投資以外にも隠されたメリットが有る、
などと先のブログでは主張していましたが…。


配当企業から得た配当を別企業に投資したり、
自分の事業に投資して再投資しないということは、
それは自分が投資先の運営を信用せず、別の企業が信頼できるとか、
自分がその資産を動かした方が得だ、という一種の矛盾を孕んでいます。



だって、そんなんするなら最初からその別企業とか、
自分の副業などに投資しておけば良かったのでは?
ってふつうなりません?


配当により得た資産…つまり実質一部の株式を売却し、
自分のポートフォリオ内を税金払ってまで渡り歩いて、
それによって結果的に利益が出たとしても、
それは「配当そのものによって利益がでた」というより、
単に「一部の資産を売却しスイッチングしたら利益になった」というだけで、
それは配当がきっかけになっただけで、
それそのもののメリットでもなんでもありません。



結局のところ、配当として出た時点で、
すでに使いみちは限定されており、
その自由度は実はありません。


表面的なことだけ見て、ただ見た目の配当金だけにつられ、
ただお金が落ちてると喜ぶのはあまりに幼稚過ぎます。


自由に見えてその実籠の鳥…これでは、
「月収30万の夫が、専業主婦の嫁さんから
毎月3万円のお小遣いをもらって喜ぶ」

なんていうATMのごとき皮肉な例えがお似合いでしょう。


かりに私の主張であるこれらが一つの意見であり、
言葉遊びの一つにすぎない、と断ずるにしても、
配当金の使いみちやメリットについて主張するのなら、
配当金が出る上では無視できないデメリットについても
目を向ける必要は絶対にあるでしょう。


勘違いしがちですが、「配当の使いみちが自由」なのではなく、
「株式を売却したあとのキャッシュの使いみちが自由」なのです。
本質は同じですが、経緯が違います。
自由なのは配当じゃなくてただのあなたの資産、現金だけ。
錯覚して同一視しないように。


…そんな中でも唯一配当金についてメリットを上げるとしたら、
「自分で明確な売却タイミングが決められない人間が、
期ごとの配当というある種企業や時期で勝手に決められることに頼り、
自らの売却意思で狼狽売りを避ける上で必要になる」
ということだけ。


つまり、自由とは程遠い、むしろ対極にある
「制限」としてメリットを見出すのが配当金というものの
真価であると私は考えます。



売却税との兼ね合いもあるため一概にはメリットとは言えませんが、
まあ狼狽売りでもして市場から撤退するよりかはマシとも言えますから。


ただその場合はそれこそ狼狽売りと一切無縁である、
先進国あるいは全世界インデックス投資をすれば良いんじゃないかな、
と思いますけどね。税面でもリターンでも格段に上だし。


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2 件のコメント:

  1. 例え話とは言え、月収30万一馬力で小遣い3万ならそら喜ぶんだよなあ

    返信削除

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