個別株投資家でも、他人にはインデックス投資を勧めるという事実。

ネットではある程度趣味が似通った人が集まるので、株式投資の話ができますが、
反面現実世界ではなかなか他人と株式投資の話をできる人はそう多くないと思います。


日本ではまず他人とお金の話をするのはほぼタブーだし、
株式投資はギャンブルだという偏見も強く、話せば気狂い扱い。
あとは会社および友人でそれほど仲良い人がいないとか。そういった理由で。


しかし、例えばいざもし他人と株式投資の話ができて、
また株式投資について教えてほしいとか、なんの株を買えば良いかと聞かれた時、
大体どの投資家も「インデックス投資をすること」を勧めます。


そう、インデックス投資家だけではなく、個別株投資家でもね。


ここにまさに真実が隠れていると言ってもいいでしょう。
結局はインデックス投資こそが王道であり、正道であり、
かつどの投資家にとっても普遍的に勝てる投資手法なのであります。


むろん、個別株投資で変な株を勧めたりして恨まれたら堪らない、などと言う人もいますが、
本当に自信があるのなら、自分が投資している銘柄と同じものを勧めたらいいでしょう。


自分が投資している銘柄や、あるいは投資しても良いと思える銘柄なら、
普通に考えて正しいチャートを描くはずでしょう。


それが信用できないということは、
株式投資における自分の鑑識眼が未熟だと自白しているようなものです。


そもそも、損をしたら文句言うような人は、多分インデックス投資を勧めても文句言います。
なにせ、インデックス投資でも普通に含み損になりますからね。


アレは一応、世界経済の発展によっていつかは必ずプラ転するよ、
含み損はいずれなくなるよ、という見えない根拠に支えられているだけであって、
証券口座の見た目上は普通に大きく変動することもあります。
単に損切りをしなければ実質的に損は発生しないというだけ。


それなのになぜ個別株投資を勧めると恨まれるという感情が強くなるかと言うと、
市場平均への投資によって、損失の責任を全世界へと丸投げできるインデックス投資と違い、
銘柄の選定には投資家それぞれの恣意的な判断が含まれているため、
勧めた当人への責任が重くなり、相手から責められても文句言えない事が大きいからでしょう。


「いやいや、相手は初心者だから、まずはインデックス投資を勧めて…
それで市場観を学んで…その後は自分で個別株投資投資をしてほしいんだ。」


いいえ、もし相手に自分で株式投資のイロハを学んでほしいとか、
あくまで初歩的な投資として、というのなら、
インデックス投資は勧めるべきではありません。


初っ端からインデックス投資を勧めてしまえば、
それこそが一番リスクとリターンの効率が最高のものでありますから、
他の投資をすることなどまずバカバカしくなってしまうことでしょう。


結局「初心者には個別株投資は勧められない、だからインデックス投資を勧める。でも自分は個別株投資家だ」という人は、
結局は、「こいつには個別株投資は無理だが自分だけは個別株投資で成功できるはずだ」という、
経験者特有の一種の思い上がりにしか過ぎません。
（実際のリターンはインデックス投資には及ばないにもかかわらず…）


インデックス投資を初心者に勧めること自体はとても正しいことだと思いますが、
反して勧めている自分は個別株投資なんてものに手を出しているのは、甚だムジュンしていると言えるでしょう。


一回相手に株式投資を勧める前に、自己のリターンをしっかりと見直して、
今こそ自分自身にインデックス投資を勧めるべきなのでは？と私は思います。