2019年2月3日日曜日

「米国株は過去右肩上がりだからこれからも大丈夫」だと信じる人達がいるから大丈夫です。

「米国株式市場は過去ほとんどの間右肩上がりだった」という実績から、
「これからも右肩上がりのまま成長していくだろう」と、
非常に短慮に考える人が多いです。


また、実際にそれを自分の米国株ブログに書いたり、
米国株にそのまま資産をぶち込んでいる人もいます。


とはいえ、過去実績から未来を予想すること、
これは至極当然のことです。


なにぶん、アメリカに限ったことではなく、どの国に対しても、
たった数日後の株価変動すら正しく予想できないのが
株式市場においては普通なことであり、
プロですらそれは不可能ですから。


これからの世界経済を、たとえ大まかにでも予想することすらできない以上、
過去の実績を見て割と適当に判断するしかないため、
この「米国株過去右肩上がりだから今後も右肩上がり論」が、
米国株信者にとってはとても大切な心の支えであり、
また同時にさらに投資を拡大させ、本当に株価を右肩上がりにしていくという
正の連鎖を生み出しているわけです。



むろん、「過去そうだったからこうである」という理由のみならず、
米国株がこれからも堅調である理由としては、
・軍事的に世界で一番優れているから
・環境的に広い国土と特産物を持っているから
・株主還元を世界で一番徹底しているから
・経済的に世界中のエリートが仕事しやすい環境が整っているから
・人口的に多数の移民や出生により常に増え続けているから
・人種的に一つの民族のみに才能が絞られることがないから

などなど、枚挙に暇がないぐらいの様々な経済的基盤が整っているという
理由も多くあります。


(むしろこれらは、米国株式市場が過去右肩上がりを
続けていた理由の裏付けでありますが。)


とはいえ、それ以上に、そこまで思考を巡らせて投資する人よりも、
株式市場を担っているのは市政の多くの人たちであり。


その人たちは、ふつうは過去の米国株式市場のリターンを見て、
その実績に期待して投資していきます。


株価というのは、その実情や中身そのものよりも、
人の期待値によって大きく変動します。


暴騰時は期待以上に買い増しし、
暴落時は実態以上に叩き売られるのが市場の株価であるため、
「いずれ回復してくれるだろう」という期待が投資家に多数存在さえしてくれれば、
その期待に応えるがごとく、株価は回復してくれるのです。


逆に言えば、この右肩上がり論が信じられている限りは、
たとえどれほど強い暴落を経験しようとも、
いずれまた株価は回復すると信じている人たちが買い増しし、
株価を下支えしてくれるため、本当に株価がまた反発し、
過去には暴落からたった2・3年で元の株価まで回復したわけです。


「またすぐ株価が回復してくれる」
「過去右肩上がりだったからこれからもそうである」という期待が、
本当にその結果を引き起こしてくれる…。


いわば、「結果が経緯を逆転した状態」といえばいいでしょうか。
難しく言うなら、「結果から因果が生まれる」のような…。


まるで中二病みたいなワードだぁ…。


これが日経平均だとどうなるかというと、
バブル崩壊後、売りに売りが重なり、
会社はその負債を抱えきることはなく倒産しまくりました。


日本人はその苦い経験から株式投資をすることを忌避し、
おかげで株価は長きにわたって回復することなく、
今になっては日銀が必死に買い支えています。


結果的に、現在に至るまで、株式投資は忌避され続け、
そのせいか、いかに日銀が買い支えても株価は思わしくなく、
貧乏な人は資本家を目指さず、貧乏なまま過ごしています。


これを修正するには、やはり無理やりにでも
株価の右肩上がりを維持し続けるしかないでしょう…。


日銀が必死に頑張るか、日本人投資家を増やすか、
移民や出生で人口を増やすか…。


基盤を作って、アメリカと同じように、なんとか
右肩上がりにして実績を作っていくしかありません。


これが新興国であるとしても同じです。


新興国は株価の暴騰暴落が非常に激しいですが、
その暴騰は「新興国は成長国家だからすごく儲かるはず!」
という多くの人々の結果により、期待以上に買われているものが多く。


同時に暴落は、「新興国は政治や経済リスクが高すぎる!
なんてことだ!過去にこれだけの暴落を経験し、そこから回復した実績もないし…。
このままでは株価が紙切れになってしまう!」
という、過剰なまでの恐れから、さらに暴落を誘発してしまうという
理由も大きく絡んできている場合も多いでしょう。


うん、いろいろ長く書いてきましたが、
まあ今先進国(米国)株式インデックス投資が期待されているのも、
大体同じような理由でしょうね。


過去リターンを見て投資する人達が市場の大部分を担っている以上、
ほとんど谷で右肩下がりの日経平均や新興国株式より、
先進国(米国)株式インデックスファンドに投資する人が増えるのも、
至極当然のことでしょう。


そのような人たちが増えれば増えるほど、
さらに米国株式市場は右肩上がりになるため、
まさに「過去右肩上がりだったからこれからも右肩上がり論」
補強し増強してくれることになります。


まさにタイトルそのまま。
米国株式市場はこれからも、右肩上がりを信じる人たちによって、
本当に右肩上がりに成長していってくれることでしょう。


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